研究期間 | 2017/04 ~ 2021/03 |
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研究課題 | 遠隔地から乳幼児とふれあえるテレ保育ロボットを用いた遊び成立支援システムの検討 |
実施形態 | 科学研究費補助金 |
研究委託元等の名称 | 日本学術振興会 |
研究種目名 | 特別研究員奨励費 |
研究機関 | 電気通信大学 |
代表分担区分 | 研究代表者 |
研究者・共同研究者 | 阿部 香澄 |
概要 | 本研究の目的は、遠隔で子どもと遊べるテレ保育ロボットを介して、遊びの経験や技量に依らずに誰でも子どもとの遊びを成立するための、遊び成立支援システムの実現である。子どもとの遊び成立の困難さは、振る舞いに基づく子どもの状態の推定や、その結果を受けての効果的遊び選定にある。これらの知識を体系化し、効果的な遊び戦略を子どもと遊ぶ操作者に提示するシステムの実現を目指す。
当該最終年度は、遊び推定モデルの作成を行い、遊び支援システムを実現した。遊び推定モデルは、昨年度までのデータから実現した、子どもの気質別に、子どもから遊び相手への親近感を向上/減少させる効果をもつ遊び行動の一覧を算出するモデルとした。時系列での遊び戦略の算出も試み、保育者の行動系列を教師なし学習で分節化するHSMM-SA Mixtured Modelを提案したが、近い戦略を取る保育者の集まりは抽出できたものの、各戦略と子どもの気質とは相関が見られず、本遊び推定モデルには適さなかった。この遊び推定モデルと、昨年度に確立した、ロボット内部の単眼カメラ画像から気質を推定する手法を用い、本研究の目的である、子どもの状態(気質)を受け、子どもの認知的構え(親近感)を良くする確率の高い遊び動作一覧を出力するという遊び支援システムを実現した。当初の計画では対乳幼児インタラクション実験によるシステムの有効性評価まで行う予定であったが、新型コロナウイルスの影響により中止した。一方、本研究で開発したテレ保育ロボットは、従来の対面調査が行えなくなった現社会様式において、実験設計の工夫で非対面での対乳幼児実験が可能なリモート調査法として注目され、特集号執筆依頼や招待講演等、時代に即応した成果を上げた。 上記の成果は、論文誌1件(掲載予定)、国際学会1件、国内学会4件(1件招待講演)で発表した。また、社会発信にも力を入れ、1件の取材に対応した。 |
PermalinkURL | https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-17J40236 |