ミヤデラ タカユキ MIYADERA Takayuki
宮寺 隆之
所属 明治学院大学 情報数理学部 情報数理学科
職種 教授
研究期間 2002 ~ 2003
研究課題 確率論的プログラミングの多次元データ処理問題への応用
実施形態 科学研究費補助金
研究委託元等の名称 日本学術振興会
研究種目名 基盤研究(C)
研究者・共同研究者 明石 重男,大矢 雅則,高橋 渉,磯貝 英一,宮寺 隆之,鈴木 智成,室伏 俊明
概要 (1).Hilbertの第13問題の整関数版の解決
1900年にParisにおいて開催された国際数学者会議において、D.Hilbertが行なった総合講演「数学の今後を方向付ける23個の問題」という基調講演の中で13番目に提示された「全ての多変数連続関数を、より少ない数の引数を持つ幾つかの多変数連続関数の重ね合わせ表現として記述できるか否か」という問題は、「連続関数」という条件を他の数学的条件で置き換えることにより得られる様々な派生問題を生んだ。研究代表者は、上記問題を分析することにより、「表現可能性」という概念が、「強表現可能性」という概念と「弱表現可能性」という概念に更に細かく分類されること、更に「表現不可能性」という概念についても同様に「強表現不可能性」という概念と「弱表現不可能性」という概念に分類されることを示し、今までに、KolmogorovやArnoldやvituskin等によって得られてきた結果の再整理を行なった。更に「連続関数」という条件を「整関数」に置き換えた場合に「強表現不可能性」が成立することを、複素関数論に位相解析的手法を適用することで証明した。
(2).数値表データ圧縮問題における圧縮効率の下限評価
従来のFourier解析に基づく数値列データ圧縮法は、不連続点を有する数値列に対して、不連続点近傍での収束が遅い点、さらにGibbs現象から引き起こされる累積誤差が半永久的に存続するという点で不備が指摘されていた。研究代表者は、高周波成分を漸近的に除去する方法を提唱し、この手法により与えられた関数が滑らかに近似再生できることを示した。更にProsserによりえられた「Hilbert空間上のコンパクト楕円体の被覆問題」の結果を本手法に適用することにより、上記近似方法が、L2-ノルムによる近似精度を一定にした場合に、もっとも少ないデータ量を達成し得ることを証明した。
PermalinkURL https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-14540108