アオヤギ ヒロシ AOYAGI Hiroshi
青柳 寛
所属 明治学院大学 国際学部 国際学科
職種 教授
発表年月日 2024/01/28
発表テーマ 台湾の若手先住民族による創作的文化蘇生の実践に関するリサーチ:その構想、考察、計画および展望
会議名 共同研究プロジェクト『台湾先住民族による創作的文化蘇生の実践について』: 第1回研究会
主催者 明治学院大学 国際学部 付属研究所
開催地名 高雄原駁館KHI IDEAS
学会区分 研究会・シンポジウム等
発表形式 シンポジウム・ワークショップ パネル(指名)
単独共同区分 共同
国名 台湾
開催期間 2024/01/27 ~ 2024/01/28
発表者・共同発表者 青柳寛(コーディネーター)
高仲凱(共同研究者・泰雅族当事者)
曾瀚慧(共同研究者・現地コーディネーティング・エージェント)
三浦七海(共同研究者)
竹尾茂樹(コメンテーター)
概要 先住民族の人権と地権が世界規模で叫ばれ、政治的なアクションと共に文化蘇生の動きも各所で益々盛り上がる傾向にある今日、先祖から受け継がれてきた伝統様式を忠実に再現しながらそれを守ろうとする努力が観られる一方、若手メンバーズを中心に伝統的なモティーフをトレンディーに理アレンジしたり、創作的な演出を行う動向も広がりつつある。先住民族の伝統文化については既に多くの調査がなされているが、若手の当事者たちを軸に近年著しく展開している創作的な民族表現―名付けて「ネオエスニック・モード」ないし「民族映え」―については未だ殆ど研究されていないという点を踏まえ、本調査では、若手台湾原住民族のネオエスニック・モードに着目したフィールドワークの実施を提案した。
 この初回研究会では、泰雅族の若手共同研究者を含む4名により、上記の探究課題に関連づけた発表を行い、次いで今後の展開と調査計画(殊に2024年度に実施予定の本格的なフィールドワーク)に関して話し合った。青柳は、2018~19年に実施したブラジルの若手先住民族間に広がる民族映えの事例を紹介しつつ、探究の主旨をネオエスニックモードの具体例と共に紹介。これに次いで高が台湾の状況を比較した下見調査を紹介し、類似性を指摘した。ブラジルへの留学を経て現地の諸事情にも詳しい曾により、ブラジルと台湾の異質性がクリティカルに論じられ、三浦は台湾の原住民族が置かれたポストコロニアルな状況を、自身の台湾での調査体験に基づいて整理した。
 発表後のディスカッションを経て、民族映えに絡んだ知的財産権の問題考察や、伝統の捉え方に関する質疑の必要性が申し合わされ、次回の研究会ではこれらの点に配慮しつつ調査先を見極めることとなった。