モリタ ヤスミツ MORITA Yasumitsu
森田 恭光
所属 明治学院大学 教養教育センター
職種 教授
言語種別 日本語
発行・発表の年月 2024/03/25
形態種別 【論文】研究論文(学術雑誌)<査読あり>
査読 査読あり
標題 新型コロナウイルス感染症(COVID-19) 拡大が高齢者の体力および体組成に与えた影響
執筆形態 【共著】共著
掲載誌名 明治学院大学 教養教育センター紀要 カルチュール
掲載区分 国内
出版社・発行元 明治学院大学教養教育センター
巻・号・頁 18(1),149-154
総ページ数 6
担当範囲 測定, 論文構成
担当区分 責任著者
著者・共著者 土 屋 陽 祐,黒 川 貞 生,杉 崎 範 英,森 田 恭 光, 伊 藤 瑳 良,井ノ口 尊 道,丸 山 あさひ,亀ヶ谷 純 一
概要 近年の研究においては、高齢者の身体組成や体力について, COVID-19感染拡大前と感染渦である2020年のデータの比較はなされているが, 活動自粛の制限が解除され2類相当から5類に引き下げられた2023年の高齢者の体力が,COVID-19感染拡大前の水準に戻っているか否かを検討した研究は見当たらない. そこで, 本研究は首都圏在住の高齢者を対象に,COVID-19 感染拡大前の2019年度と拡大後の2023年の体力レベルおよび体組成を比較することを目的とした. 対象者は,2019年と2023年にA大学と首都圏の自治体との連携プログラムに参加した高齢者78名(女子55名,男性23名)であった. 2019年の測定データをCOVID-19感染拡大前(女性33名,男性12名),2023 年度(女性22名,男性11名)を COVID-19 感染拡大後とした. 本研究はヘルシンキ宣言に則り, 対象者の個人情報かが特定されないよう最大限配慮した. 体力テストは, 文部科学省の新体力テストに準じて握力, 10m障害物歩行,長座体前屈,開眼片足立ちの4項目を実施した. 体組成の指標とした体重と体脂肪率はTANITA社製体内脂肪計(MC190)を用いて測定した. 女性は COVID-19 感染拡大前と比較して,2023年の体重, 除脂肪体重が有意に低値を示した. 男性は, 体組成に違いはみられなかった. 体力測定の結果, 女性の握力と10m障害物歩行, 男性の10m障害物歩行の記録が2019年よりも2023年に有意に低い値を示した.以上の結果から,社会活動が通常に戻った2023年においても, 高齢者の体力レベルが低い水準にある可能性が示され. 今後は高齢者の体力の推移を観察するともに,適切な運動・トレーニング指導が重要な課題であることが示唆された. また,活動自粛によるフレイルへの影響を注視するとともに,今後の高齢女性の体重の変化を考慮した適切な栄養指導が必要であることも示唆された.
ISSNコード 1881-8099